2021年3月22日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(9話)』大前しでん小説 「それでしたら今年は桜前線が近づくに連れ雨が非常によく降っておりますし、六月には梅雨も控えております。 当店の今年の新企画として早めの雨対策ということで例年と違ったお洒落なアイテムを取り入れました。 こちらが新企画の『レ […]
2021年2月16日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(8話)』大前しでん小説 「えっ、そうなんやね。 あなたもあのトイレに行かなくなるんやね。せっかく綺麗なトイレに生まれ変わるのに。 でも栄転やろから頑張ってね。また、そっちのトイレ掃除のおばちゃんとおしゃべりして下さいな」 「 […]
2021年1月10日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(7話)』大前しでん小説 聞き覚えのある声だが顔が今ひとつピンとこなかった。少し赤茶色い髪にカールした髪型、きらびやかな首元のネックレス?あっ、口元に少し大きなホクロ!確信した。おばさんだ!全くイメージが違うではないか女性はいくつになっても化粧や […]
2020年12月9日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(6話)』大前しでん小説 突然バットで脳天を叩かれた。さっきまで優勢であった試合が一気に動き出し同点次いでは逆転され劣勢へと変わり気持ちの動揺が抑えきれず 何でですか!と騒いでいる自分がいた。 しまった、取り乱してしまったさすがにこの駅員が理由 […]
2020年11月13日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(5話)』大前しでん小説 「それは、支店に勤務先を移し新たな活路を見いだせとおっしゃるのですか」 「そうだ、誤解されては困るので繰り返し言っておくがこのご時世だ、業務命令という強制連行ではなく選択権は君に残してある。しかし、これだけは分かって欲し […]
2020年10月2日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(4話)』大前しでん小説 人は『金』と言うアイテムを生み出し操ってきたのであろうが、今やそれは逆でそれらに依存し操られる始末となった。増収増益を継続している企業こそが優秀な会社?所詮、成果主義なんぞ結局は結果しか見ないのである。不幸にも減収に至 […]
2020年9月13日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(3話)』大前しでん小説 (3)現 実 思えば故郷の三流大学を卒業し神戸の中堅住宅メーカーに就職、よくある営業マンとして入社してから早五年、業績は先輩や鳴物入りの同期とは異なって大きく引けをとっているので行く末を案じ苦悩している状態であった。 そ […]
2020年8月16日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(2話)』大前しでん小説 (2)ふれあい 通勤はいつも最寄り駅からの電車で家賃のことを最優先に考え駅までは徒歩で一五分と遠く、急行は停車せず郊外から少し離れた決して市民受けされることのない古びた場所からの通勤となることを承知のうえここを住まいに […]
2020年8月16日 / 最終更新日時 : 2021年4月21日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『互いの面影(1話)』大前しでん小説 今朝も携帯電話の目覚まし音が地獄行きの合図のように激しく鳴り響いた。 私の魂は幻想的な世界に浮遊し続づけ現実逃避を毎晩繰り返していた。 私は、時間経過の速さが信じられず、その現実を真っ先に確かめようと少々まどろみながら […]
2020年7月14日 / 最終更新日時 : 2020年7月14日 chigyou 大前しでん(西福寺門徒)小説 『嘘』大前しでん小説 それは、凍えるような朝で始発を待って戸締りもそこそこに後は何もかも放り投げ飛び乗った。 そして、乗車した車窓に映る僅かな唇を確認し人目を少し憚りながら薄紅のルージュをそっと引いた。 「これって派手かしら?」 けれど、こ […]